バイオシミラーとは
バイオシミラー(バイオ後発品)とは
バイオシミラー(バイオ後発品)とは、「既に国内で新薬として承認され、特許が満了したバイオテクノロジー応用医薬品 (先行バイオ医薬品)の後続品として、先行バイオ医薬品とは異なる製造販売会社が開発した医薬品」として定義されています。化学合成ではなく細胞や細菌が作り出すバイオ医薬品は、分子量が大きく構造が複雑なため製造方法が変わると品質に微妙な変化が生じるため、低分子医薬品の有効成分のようにはまったく同じものを作ることができません。このため、バイオシミラーは先行バイオ医薬品とまったく同じではないものの、高度に類似し同等/同質の有効性や安全性を有するものとなります。
(平成21年3月4日「バイオ後発品の品質・安全性・有効性確保のための指針」より抜粋)
バイオシミラーの開発では、特性・品質、有効性、安全性が先行バイオ医薬品と同等/同質であることを示す必要があり、低分子医薬品の後発品 (ジェネリック医薬品)の開発と大きく異なります。
- ① 製造方法の確立
- 先行バイオ医薬品の製造方法は公開されていないため、産生細胞の樹立の段階から独自に検討して確立します。
- ② 特性解析・品質確認
- 数多くの最新の分析技術を駆使してバイオシミラー自体の特性や品質を解析するとともに、多数の製造ロットで同様の解析を行い先行バイオ医薬品との「同等性/同質性」を証明します。そのために、先行バイオ医薬品を開発する場合よりもはるかに多くのデータを取得する必要があります。
- ③ 非臨床試験
- 人を対象としない非臨床試験により、バイオシミラーの生物学的特性が先行バイオ医薬品と同等/同質であることを証明します。細胞や動物などを用いた試験で生物学的特性を検証し、医薬品の効果にかかわる作用が同等/同質であることを証明します。
- ④ 臨床試験
- バイオシミラーが承認されるためには、非臨床試験に加え臨床試験も必須とされています。健常人や患者さんを対象とした試験で、バイオシミラーの薬物動態、有効性および安全性が先行バイオ医薬品と同等/同質であることを証明します。
このように、バイオシミラーの開発には高い技術に加え、ジェネリック医薬品の開発よりもはるかに多くの費用と時間が必要となります。